日々の雑事と、小説に関する事柄を不定期に。

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 昨日付の毎日新聞・夕刊にて、神戸に本店を置く「コスモポリタン製菓」が廃業になったことを知りました。神戸生まれ神戸育ちの私にとっては、チョコレートといえばコスモポリタン。モロゾフはここから分家した会社ですが、チョコレートの味は微妙に違い、コスモポリタンのほうがクラシックで温かみのある味(手作りにこだわっていたので)で私は好きでした。結婚してこちらへ引っ越してからも、神戸に出る機会を作っては、よく買いに行きました。

 三宮センター街に本店があり、ここは国内初のチョコレート専門店。最近流行の「ショコラトリー」タイプの店と言えばわかりやすいでしょうか。ボンボンタイプの粒チョコレートを、ひと粒づつ好きなだけ買える形式の店です。ヨーロッパのチョコレート店のように、ショーケースの中に足つき台を置き、そこに粒チョコをピラミッドのように積み上げておくディスプレイの方法が印象的でした。

 創業は1926年、神戸でも屈指の老舗です。ロシア革命から逃れて日本へ移住したフェドール・モロゾフ氏が創設し、第二次世界大戦や阪神大震災にもめげずに営業を続けていました。ロシア系のお店なので喫茶部にはボルシチやロシア紅茶もメニューにあり、ここのボルシチが好きでよく食べに行きました。イワシのキッシュなども食べられる便利な店でした。

 私が中学生ぐらいのときには、オリガ夫人が、まだ店頭に立って売り子をしてらっしゃいました。友人にコスモポリタン好きがいたので、ときどきプレゼント用にチョコレートの詰め合わせを作ってもらったりも。
 最近のスイーツブームによる競争激化で、店を持ちこたえられなくなったようです。
 ここでしか買えないチョコレートがたくさんありましたし、フランス系ではなくロシア系のチョコレート店というのは貴重だったので、本当に残念です。

 またひとつ、神戸の思い出が消えてゆきます。
 でも、長い間、おいしいチョコレートとボルシチとロシア紅茶をありがとう。
 この店のチョコレートのことは、きっと一生忘れません。


PS. そういえば……自著の中で「三宮にあるおいしいチョコレート店」と記述したのは実はこの店だったので、今回の廃業で残念ながら実在しない店になってしまいました。本を読んでお探しになった方、ごめんなさい。この店はもう神戸にはありません。