日々の雑事と、小説に関する事柄を不定期に。

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 予告の第二弾が出ました。今回のヴァージョンでは、潜水調査船「わだつみ」(JAMSTECの「しんかい」に名前だけ貼りつけて撮影?)と、デリックもロケに使ったという地球深部探査船「ちきゅう」の姿を一瞬だけ見ることができます。
 →映画「日本沈没」公式サイト

 公開日は7月15日。もうすぐですね。

ローリー・リン・ドラモンド『あなたに不利な証拠として』(ハヤカワ・ポケットミステリブックス)

 吉野仁さんの日記(2006年3月21日)でこの本を知り、池上冬樹さんの書評を読んだところ、これはもう私のような人間にとっては必読の書だということがその場でわかったのでオンライン書店へ飛んでいったところ、どこへ行っても「品切れ」。
 発行は今年の2月ですよ? 1月末か先月に出たばかりの本ですよ? どうなっているの?!
 海外ミステリの売り上げ不振は話に聞いていましたが、だから刷り部数が少ないのでしょうか。それにしたって、アメリカ探偵作家クラブの最優秀短編賞を受賞しているような作品を……orz

 唯一、地方の支店に在庫があるらしい紀伊國屋のオンラインショップで注文しましたが、ちゃんと届くのかなぁ。読めなかったらどうしよう(T_T)

※追記(2006.3.26)※
昨日、無事紀伊國屋から届きました。二刷でした。帯も変わっています。噂が噂を呼んで評判が広がったのか、1ヶ月で増刷がかかったようです。オンライン書店でも、取り扱いが復活した店が出始めました。よかった〜。


 2006年春号。毎年恒例の「日本SF大賞&日本SF新人賞結果発表」の号です。選評および、受賞者の受賞後第一作(飛浩隆氏、タタツシンイチ氏)が読めます。

【執筆陣】
 連載:清涼院流水、火浦功、古橋秀之、森岡浩之、山田正紀、夢枕獏、若木未生
 読み切り短編:小林めぐみ、八杉将司
 対談:恩田陸、山田正紀
 評論:横道仁志
 コラム:池田憲章、大橋博之


 第6回小松左京賞受賞作。
 タイトルと内容紹介から半村良さん的な伝奇小説を連想した人が多いと思いますが、私はむしろ、横田順彌さんの《明治SFシリーズ》の雰囲気に近いのではないかと感じました(こちらは明治ではなく江戸時代が舞台ですが)。知的な文体と展開が冴える一作。続編も執筆中だそうです。

稲見一良『セント・メリーのリボン』(光文社文庫)

 「あなたの好きなハードボイルド作家をひとりあげて下さい」と言われたら、私は迷うことなく稲見一良を挙げます。一読、全ての作品が宝物になってしまった作家。それが私にとっての稲見一良です。

 新作を読めないこと、珠玉の名作が次々と絶版になってゆくことが、この十年間どれほど悔しかったか。他人に薦めたくても本そのものが書店にない、出版社の在庫にもない。そんな状況を、光文社が打破してくれました。今回発売されたのは短編集『セント・メリーのリボン』。収録作品は、以前出ていた新潮社版と同一のようです。

 はじめて稲見作品を読む方には断然これがお薦め。もしこれで気に入ったなら、次には続編の『猟犬探偵』を。それから『ダックコール』や『男は旗』や、遺作となった『花見川のハック』を。映画好きの方なら、エッセイ集『ガン・ロッカーのある書斎』もお薦めです。

 「ハードボイルド」とは流行ものなどではなく、小説の一様式でもなく、ましてや暴力や銃の代名詞でもありません。ハードボイルドとは人の生き方そのものを指す言葉であり、小説においては人間の優しさと強さを描くもの。稲見作品には、このふたつが実に魅力的に織り込まれています。その描き方が実に「稲見さんの……」としか表現のしようのない作風で、こういうふうに書ける人など、めったにいるものではありません。
 『セント・メリーのリボン』の表題作は、犬の探索を専門にしている探偵の話。盲導犬の存在をめぐって、実にハートフルな物語が展開されます。一度TVドラマ化されたことがある(設定は少し変わっていましたが(^^;)ので、ストーリーが記憶の片隅に残っている方もあるかもしれませんね。

 復刊が、とてつもなくうれしい一冊です。